美術工芸陶磁器卸・小売 加藤兆之助商店

63:「美術工芸陶磁器卸・小売 加藤兆之助商店」 【瀬戸新開地商店街】

・瀬戸焼に誇り 普及に力

瀬戸街道「新開地」交差点を南へすぐの角地にある瀬戸焼の陶磁器卸・小売の「加藤兆之助商店」。業務用食器から陶芸家の作品、結婚式の引き出物や贈答品、会社関係の記念品、オリジナルの器製作まで幅広く取り扱う。店舗2階には見本室兼ギャラリーがあり、3代目店主の加藤修司さん(48)が厳選して仕入れたやきものの数々が並んでいる。

戦前・戦中に陶磁器貿易商社の番頭をしていた祖父・兆之助さんが戦後の1949年ごろ、市内の借家で創業した。商売柄陶磁器を見る目は確かだったといい、戦後世の中に古いものが多く出てきていたこともあり、当初は骨董品を主に扱う店だった。

すぐに、現在地の場所に移り、卸・小売業を始めた。父・昭三さんが2代目を引き継いだ。修司さんは東京の大学で学芸員の資格を取得し、瀬戸窯業高校専攻科陶芸コースを経て入店、昭三さんの下で社業を仕込まれた。1999年に昭三さんが旅行先で急逝し、3代目を継いだ。

修司さんの代になり、客の要望に合わせたオリジナル商品の開発にも取り組むようになった。例えば、結婚式の引き出物では、2人が出会った思い出の場所の風景などを図柄に取り入れたり、会社関係では記念品にロゴマークを入れたり。「新しい提案型の商売も必要」と話す。

好まれる商品の傾向は、15、16年前に比べて様変わりしてきた。かつては5客セットで同じ形や柄が選ばれるのが一般的だった。ところが、近年では家庭用の器でもばらばらの形、柄が好まれるようになってきた。「個性や個の強い時代なんでしょうか」と話し、オリジナル商品への対応も、こうした客の意識変化が背景にあるようだ。

修司さんは、「確実な検品」をモットーにする。「1000個の注文のうち、不良品がたった1つでも、使う側にとっては唯一無二の1つ。許されません」と、やきものを扱うプロとしての意識は高い。

また、「問屋は商品の良し悪しを見極めるフィルターの役割も担う」との考えも示す。現在は、メーカーや作家らから直接購入できる機会も増えている。「販売のチャネルが広がることはいいことだ」としながらも、明らかに不良品や失敗品を買わされている人もあり、注意を促す。

実際に器を選ぶ際には、「手に取って感触なども確かめてほしい」と修司さん。「特に日本食は、器を手に持っていただく文化。いくらデザインが気に入っても持ちにくかったり、洗いにくかったりすると、結局は使わなくなる。大事なポイントの1つです」とアドバイスする。

2006年6月から、メールマガジン「瀬戸だより〜せとものについて話しませんか〜」を毎週土曜日に発行している。14年2月15日号で400号になる。商売を通じて知り合った瀬戸焼好きの人たちの多くが、意外にもやきものの知識がなかったことがきっかけ。「少し詳しく知るだけで、より楽しめるのでは」と考え始めた。

題材は、自身が見聞きしたり、体験したりしたことが中心。陶器を梱包する箱ひもの結び方、釉薬についてなど、豆知識的なことから始まった内容は、今では瀬戸の食、風習、催事などにも広がる。「更新は大変だが、少しでも瀬戸焼と瀬戸のPRに役立てば。見てくれる人がいる限り出し続けたい」と話している。

【あゆみ】
1949年に市内の記念橋近くで骨董品を扱う店として創業。ほどなく現在地に移り、陶磁器卸・小売店として出発した。

【メモ】
瀬戸市陶原町4の48
瀬戸街道「新開地」交差点を南へすぐ
TEL:0561・82・3664
営業時間:午前9時〜午後6時(日曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

扱う瀬戸焼に誇りを持つ3代目店主の加藤修司さん 【写真をクリックで拡大】

扱う瀬戸焼に誇りを持つ3代目店主の加藤修司さん 【写真をクリックで拡大】

厳選した瀬戸焼が並ぶ見本室兼ギャラリー 【写真をクリックで拡大】

厳選した瀬戸焼が並ぶ見本室兼ギャラリー 【写真をクリックで拡大】

創業65年の加藤兆之助商店 【写真をクリックで拡大】

創業65年の加藤兆之助商店 【写真をクリックで拡大】

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イトーKT

62:「イトーKT」 【瀬戸新開地商店街】

・創業65年 レンタルにも力

3兄弟で1949年に創業した老舗オートバイ店「イトーKT」。現在は長兄の2代目の伊藤達也さん(長男、56)、賢司さん(次男、52)、大輔さん(4男、45)、雄一郎さん(5男、33)の4兄弟と、達也さん、賢司さんの妻も加わり経営を支えている。2代にわたる兄弟営業で信頼を培い地元の愛好家らに親しまれている。

国内大手メーカーをはじめ、台湾などのアジアンバイクも取り扱う。4年前からレンタルバイク事業にも力を入れている。

前身は、「伊藤兄弟商会」。当時は自転車の販売、整備が中心で徐々にオートバイや車も扱うようになった。「イトーKT(けいてい)商会」を経て現社名になった。この間、車部門はマルマ自動車(同市福元町)として独立した。

社長の達也さんによると、かつては10〜20代の客が多かったが、現在は40代以上が中心。「〝リターンライダー〟ですね」。家庭や仕事が落ち着く年代で、金銭的にも余裕ができ若いころに憧れていた大型バイクを手に入れたいという人が目立つという。逆に、若者や主婦に売れていた原付きは、軽自動車の台頭などであまり出なくなった。

一方で、乗りたいときに好きなオートバイを借りられる「レンタルバイク」は好評だ。ガソリンの高騰や不況、駐車場の問題などから愛車を手放すライダーが増えたことが背景にあるようだ。原付きから1000cc超の大型まで揃えている。ツーリングに借りたり、中長期の出張で来瀬し、仕事の足代わりに使ったりとニーズは高いという。

同店では、購入を検討する場合のレンタルを勧めている。「高速を走るなどしっかり確かめてからの購入が安心ですよね。レンタル料金のキャッシュバック制度もありますよ」。また、1人で乗るのが不安という初心者に対しては、専門スタッフが乗り方や楽しみ方を教えるレッスン付きレンタルもある。

料金は9段階に細分化され、日帰りで借りる場合、原付きが1500円~、250ccで8000円~となっている。15分、1時間、4時間といった短期のほか、1泊2日、最大1年間の長期割引レンタルもある。

1999年の50周年で、社屋を3階建てに改築した。1・2階のショールームには、新車・中古車が常時200台程度並び、「いつも、おかげさまで」の気持ちで客を迎えている。春から秋にかけてはユーザーに募ってツーリングイベントなどを企画して、オートバイの楽しさの輪を広げている。達也社長は、「もっとお客さんとのコミュニケーションを取りながら、バイクの魅力を伝えていきたい」と力を込めた。

【あゆみ】
伊藤社長の父親の勝己さん、叔父の増博さん、孝三さんの3兄弟で自転車を中心に扱う店として、1949年に現在地に創業した。後にオートバイ専門となり61年に「イトーKT商会」、2010年に現社名に。1999年の50周年で店舗を全面改築した。

【メモ】
瀬戸市陶原町3の27
瀬戸街道「新開地」交差点すぐ東 名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅から西へ徒歩10分
TEL:0120・01・9218
営業時間:午前9時半〜午後7時半(水曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

来店を呼び掛ける伊藤達也社長(中)ら 【写真をクリックで拡大】

来店を呼び掛ける伊藤達也社長(中)ら 【写真をクリックで拡大】

店内には常時200台の新車・中古車を展示 【写真をクリックで拡大】

店内には常時200台の新車・中古車を展示 【写真をクリックで拡大】

サービス工場を併設したイトーKT 【写真をクリックで拡大】

サービス工場を併設したイトーKT 【写真をクリックで拡大】

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喜楽 梅むら

61:「喜楽 梅むら」 【瀬戸新開地商店街】

・路地裏に名店 見えぬ手間惜しまず

かつて花街だったといわれる新開地の一角・陶原町に店舗を構える「喜楽 梅むら」。店の歴史を詳細に記した資料は残っていないが、創業は大正の初めごろと伝えられている。厳選した食材を生かした会席料理の名店として知られる。4代目店主で板長の梅村尚史さん(38)は、「瀬戸にもいい店があるといってもらえるよう、日々精進していきたい」と意欲的だ。

創業者は曽祖父。代々、経営者として采配を振り、曽祖母、祖母、母が女将として現場を切り盛りしてきた。尚史さんの代になり、初めて店主自ら板長となった。その証としてこれまで「喜楽」とだけあった屋号に「梅むら」の名を加えるとともに、できる限りコミュニケーションを図りたいと、新たにカウンター席も設けた。

敷居は決して高くはない。ランチには、車エビの天ぷらやマグロの山かけ、名物の芋まんじゅうなどが付く喜楽セットほか、すき焼き丼、海鮮丼、炭火焼きのステーキ重などがあり、1575円〜2100円とリーズナブル。夜はミニ会席(3500円)と、本格会席が5000円から1000円刻みである。冬場はアンコウやクエなどの鍋コースも。「昼はお腹いっぱい食べてもらい、夜は会席を満喫してもらうことがコンセプト」と尚史さん。

「料理は奇をてらわずに、見えないところでの手間を決して惜しみません」。尚史さんはこう言ってはばからない。例えば「カニの飯蒸し」。もち米にカニの身を混ぜた蒸しもので、もち米を浸しておくだしにはカニの殻も取り込むなど、余すところなくカニの味を引き出す工夫を凝らす。こうした裏の仕事があってこそ、「素材そのもの違いを感じていただける」とこだわる。

自慢の1つは、意外にも米。2代目女将の祖母ふきえさん(故人)の実家(旧藤岡町)で収穫した米をずっと出している。「山奥で水がいいため、うまさが全然違う」と誇らしげに語る。

ふきえさんと、3代目女将の母親規子さん(65)が考案したのが「芋まんじゅう」で、いつしか名物と呼ばれる自慢の一品となった。マッシュにしたジャガイモを皮に、野菜などを餡にして包んだ蒸し物で、バターが効いたソースが和の中に洋のテイストを漂わせる。

18歳で料理の道に進んだ。20歳から大阪と東京の料亭で計8年間、修業を積むうち、「料理とともに日本の文化を伝えていきたい」と思うようになった尚史さん。その志通り、若いころから瀬戸を中心にしたやきものを買い集め、料理もこうした器に盛りつける。中庭に加え、現在改装中の玄関まわりにも、四季を伝える小庭を造っている。

時には小庭に面したカウンター席に立って調理の工程を披露し、日本料理の奥深さを垣間見せる。「文化に触れ、非日常を味わってもらうのが私たちの役目だと自戒を込めています」と、尚史さんは謙虚に話した。

【あゆみ】
大正の初めごろに現在地で創業。改築を重ね、掘りごたつの4・6人の2部屋に45人までの新館など計80席ほどある。2013年6月から玄関周りを改装中。

【メモ】
瀬戸市陶原町5の14
瀬戸街道「新開地」交差点に交わる路地を北西へ100メートル
TEL:0561・82・2031
営業時間:午前11時半〜午後1時半(入店時間) 午後5時半〜8時(同。月曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

「お客さんを連れて来ていただいてもはずかしくない料理を」と、日々精進する4代目店主の梅村尚史さん 【写真をクリックで拡大】

「お客さんを連れて来ていただいてもはずかしくない料理を」と、日々精進する4代目店主の梅村尚史さん 【写真をクリックで拡大】

名物の「芋まんじゅう」 【写真をクリックで拡大】

名物の「芋まんじゅう」 【写真をクリックで拡大】

創業時からの木製看板を玄関トビラの上に掲げる「喜楽 梅むら」 【写真をクリックで拡大】

創業時からの木製看板を玄関トビラの上に掲げる「喜楽 梅むら」 【写真をクリックで拡大】

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今週のダイジェスト放送(2月9日)

・新瀬戸商店街(2月3日~2月7日放送分)

毎週日曜日はその週に放送したものを
まとめたダイジェスト版をお送りしています。

【収録内容】

窯元 渓泉(2月3日放送)
やきとり 金ちゃん (2月4日放送)
加藤印舗
(2月5日放送)
お好み焼き カズ(2月6日放送)
理容ヒロセ (2月7日放送)

当日の放送はこちらから↓

Posted in 56:渓泉, 57:金ちゃん, 58:加藤印舗, 59:お好み焼カズ, 60:ヒロセ理容店, ダイジェスト放送, 新瀬戸商店街 | Leave a comment

瀬戸新開地商店街

【瀬戸新開地商店街】

瀬戸街道(国道363号)「新開地」交差点を中心に街道沿いに形成される商店街。
2013年9月末現在の組合員数は23。

61: 喜楽 梅むら (2014年2月10日放送)
62: イトーKT(2014年2月11日放送)
63: 加藤兆之助商店(2014年2月12日放送)
64: 林薬局(2014年2月13日放送)
65: マルコウ商店(2014年2月14日放送)

91: 日本料理 あかつき(2014年3月17日放送)
92: 波多野耕文堂(2014年3月18日放送)

121: 杉乃屋紙店(2014年5月12日放送)

129: talo-K (タロケイ)(2014年5月22日放送)
130: 喫茶スカーレット(2014年5月23日放送)

155: アンデス洋菓子 本店(2014年6月27日放送)
159: オザキフォトストーリー(2014年7月3日放送)

165: 三重交通第一旅行会(2014年7月11日放送)

Posted in 121:杉乃屋紙店, 129:talo-k, 130:喫茶スカーレット, 133:玉喜, 155:アンデス洋菓子店, 159:オザキフォトストーリー, 165:三重交通, 61:喜楽梅むら, 62:イトーKT, 63:加藤兆之助商店, 64:林薬局, 65:マルコウ商店, 91:あかつき, 92:波多野耕文堂, 瀬戸新開地商店街 | Leave a comment

理容ヒロセ

60:「理容ヒロセ」 【新瀬戸商店街】

・楽しく散髪 心もさっぱり

「いらっしゃいませ」。瀬戸市東横山町の理容「ヒロセ」の店内に一歩足を踏み入れると、シャンプーの清々しい香りが漂い、店主の広瀬直勝さん(67)と妻の民子さん(66)の明るい声が響く。この地に店を構えて39年。直勝さんは「お客さんのおかげて続けてこられた。散髪でサッパリ、気分もリフレッシュしてもらえる店をこれからも目指したい」と張り切る。

父親が会社組合の理容店に勤め、従兄も理容師。楽しく働く姿から理容師を目指した直勝さんは、江南市の理容店で修業。有名な理容師の研究会にも所属し、技術大会でチャンピオンになるなど腕を磨いてきた。25歳で独立。名古屋市北区の借家での営業を経て29歳で現在地に店を開いた。民子さんも理容師免許を持ち、2人3脚で歩んできた。

気さくなおしどり夫婦の人柄を慕って訪れる常連客は多い。しかし、直勝さんによると開業して2年ほどは客が少なかった。「行きつけの店があるでしょ。新しいところにはなかなかね」。そのころ、男性パーマが流行し、いち早く取り入れたことで転機が訪れた。若い客が口コミで増え、「店を軌道に乗せることができた」と振り返る。現在は長男で2代目の直明さん(36)も店に立ち、「息子指定の若いお客さんも増えている。世代交代の時期も近いかも」と民子さん。

直勝さんと直明さんの2人は、市内の身体障害者授産施設で散髪ボランティアを続けている。15年以上続く地道な奉仕活動。今は2ヵ月に1度、休業日に出掛け、半日をかけて20〜40歳の30人ほどをカット。「待っていてくれるんですよ。散髪が終わると喜んでくれるのが何よりうれしい」と胸を張る。

直明さんは昨年結婚したばかりで、妻の麻美さん(27)は現在、理容師を目指して専門学校に通っている。「来年には2代4人で店に立つことができそう」と、民子さんは心待ちにしている。

直勝さんは、「地域の人たちに育ててもらった店。お客さんが散髪に来て、心身ともにサッパリ、スッキリしてもらえないようではいけないよね。そのためにも我々が楽しく仕事をすることが一番だと思っている」と話している。

【あゆみ】
現在地に店を構えたのは1976年。直勝さんの父、従兄、民子さんの姉も理容師。

【メモ】
瀬戸市東横山町43
名鉄瀬戸線新瀬戸駅南を西へ徒歩1分
TEL:0561・84・0028
営業時間:午前8時半〜午後7時(火曜、第2・3水曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

気さくな広瀬直勝さんと民子さん 【写真をクリックで拡大】

気さくな広瀬直勝さんと民子さん 【写真をクリックで拡大】

直勝さんが長年愛用する散髪道具 【写真をクリックで拡大】

直勝さんが長年愛用する散髪道具 【写真をクリックで拡大】

親子2代で営む理容ヒロセの外観 【写真をクリックで拡大】

親子2代で営む理容ヒロセの外観 【写真をクリックで拡大】

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お好み焼き カズ

59:「お好み焼き カズ」 【新瀬戸商店街】

・蒸し焼きでフワフワ 懐かしのごっそ焼きも

愛知環状鉄道瀬戸市駅ロータリーのまさに真ん前にあるお好み焼き「カズ」。藤沢金春さん(71)が1983年に現在地で創業した。「うちの味を楽しみに来てくれるお客さんがいる限り、1日でも長く店を開けていたい」と、日々感謝の気持ちで鉄板に向き合う。

瀬戸ならではの「ごっそう焼き(ねぎうす焼き)」(650円)とふっくら仕上げる「お好み焼き」(700〜850円)が自慢の味。ランチ時には串かつやコロッケなどの定食もの、夜はビールにねぎまなど居酒屋メニューも献立に上る。

ごっそう焼きは、水溶きの小麦粉を鉄板に薄く伸ばし、魚粉、アミエビ、ショウガ、たっぷりのネギを入れて焼く。仕上がりに醤油を塗って青のりを振り掛けたシンプルな品だ。瀬戸では50代以上の人たちが子ども時代に親しんだ庶民の味で、今ではメニューに載せる店は見当たらない。「懐かしい味がすると、酒のつまみに注文する年配客が多いですね」と藤沢さん。

お好み焼きは、独自配合した粉にだしと具材を入れて混ぜ焼きする。ポイントは、ボウルを改良して作った特性フタをかぶせての蒸し焼きで、両面を焼き上げるのに約15分間待つ。藤沢さんは、鉄板に乗せてから返す時以外は触らない。「これがふっくら焼き上げるコツ」という。

味の決め手となるタレはやや甘め。ケッチャップにソース、みりん、胡椒(こしょう)などを混ぜて作る。火にかけてから一旦冷まし、しばらく寝かせて完成させる。「10年くらい試行錯誤したかな。季節によっても配合を変えている」と藤沢さん。

藤沢さんは元生コン会社社員で大型ミキサー車に乗っていた。体力的にきつく、将来に不安を感じて40歳で一念発起、飲食の道へ転身した。不安はなかった。妻の和さんがその6年前、北脇町でお好み焼き屋を開いており、藤沢さんも休日に手伝うなどして肌に合うことを感じていたためだ。「そのころ駅前が発展していく途中で、この店は新築の貸店舗でした。ここで妻と一緒にとも考えましたが、すでにお客さんが付いていたこともあり別々で店を構えることになりました」と藤沢さん。

屋号について藤沢さんは、「妻の名前です。妻の店の名前も『和』。和んでもらえる店にという思いからですが、同じでは芸がないのでカタカナにしました」と話す。

夫婦それぞれの店で切磋琢磨しながら歩んできた。「同じ材料、焼き方をしても、同じ味にならないのは不思議」と藤沢さん。カウンター8席に4人掛けのテーブル2つ。気取らない店構えと変わらない味に魅せられたファンが、今日も店に足を運ぶ。

【あゆみ】
1983年に創業。当時から変わらず、ねぎうす焼きとお好み焼きをメーンに、定食や居酒屋メニューを提供している。

【メモ】
瀬戸市東横山町101の1
愛知環状鉄道瀬戸市駅、名鉄バスロータリー前
TEL:0561・82・0550
営業時間:午前11時半〜午後1時半、午後4時〜9時(木曜休み)

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脱サラして店を開いた藤沢金春さん 【写真をクリックで拡大】

脱サラして店を開いた藤沢金春さん 【写真をクリックで拡大】

ネギたっぷりの懐かしの味、ごっそう焼き 【写真をクリックで拡大】

ネギたっぷりの懐かしの味、ごっそう焼き 【写真をクリックで拡大】

愛環瀬戸市駅の真ん前にあるお好み焼き「カズ」 【写真をクリックで拡大】

愛環瀬戸市駅の真ん前にあるお好み焼き「カズ」 【写真をクリックで拡大

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加藤印舗

58:「加藤印舗」 【新瀬戸商店街】

・手彫りに誇り 精進の日々

瀬戸市水南町。大型スーパーから真っすぐ北へ走る通り沿いに、手彫りの印章・ゴム印専門店「加藤印舗」が店を構える。この道に入り半世紀以上、店主の加藤末夫さん(77)は、「はんこは、土地や財産を守るために使う大切なもの。本人の唯一無二の証しでなければいけない。それを表現するには手彫りが必要」ときっぱり。

1972(昭和47)年に創業した。市内外の印章店で計12年半、修業を積み、孫田町の貸店舗を経て現在地に店を開いた。陶磁器に押すゴム印と、銀行印や実印など、手書き、手彫りにこだわり続ける。

象牙や水牛、ゴムなどの印材への字入れ、粗彫り、仕上げと続く工程の中で、第一に必要とされるのが書道の技術。基本の篆(てん)書体の習得を始め、開運の書体とも言われる吉宗体ほか、ゴム印では創作を求められる場合もあり、「センスも必要で彫る技術よりも難しい」。彫刻は、印材に文字を映した後、刃先の幅が違う5種類の刀で完成させる。「イメージを超えるものが提供できるよう日々技術の向上を目指して努力している」と加藤さん。

はんこやを考えたのは、市内の陶磁器絵付け会社に勤めていたとき。加藤さんは生まれつき左足が不自由で障害者3級の手帳を持つ。束ねた茶わんを運ぶなど重労働を続けるのは厳しく、「座ってできるはんこ職人はどうかと、姉に勧められたのがきっかけ」と、職人に転じた経緯を説明する。

創業時は窯業界に活気があり、特にゴム印の注文は目が回るほどの忙しさだった。納期に間に合わせることを信条とし、それが信頼になり得意先を広げてきた。

ゴム印は7〜8年ほど前から減ってきた。また、機械で彫るなどした安価な印章が増え、技術がなくてもはんこはできる環境に変わってきた。「時代の流れで仕方ないことだけど、婚姻届のように印章1つで決まる人生もあり、製造に妥協はできない」と、職人の誇りを覗かせる。

根を詰める仕事のため、息抜きも必要と、休日には尺八の演奏を楽しむ。「始めて30年になる」と加藤さん。竹風会という団体に所属し、瀬戸市の文化の祭典や同会の発表会などでステージにも立つ。「はんこは日本の伝統文化。その良さを伝え、広めていくためにもまだまだ頑張りたい。息抜きをしながらね」。

【あゆみ】
1972年に現在地に創業。当初は陶磁器用のゴム印が主力で、現在は半々。後継ぎはおらず、「視力の続く限り頑張る」と加藤さん。

【メモ】
瀬戸市水南町45の2
愛知環状鉄道瀬戸市駅前、バロー瀬戸店北へ100メートル
TEL:0561-82-8492
営業時間:午前8時半〜午後7時半(日曜休み)

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FAX 0561-97-0845

職人は日々精進と、創業者の加藤末夫さん 【写真をクリックで拡大】

職人は日々精進と、創業者の加藤末夫さん 【写真をクリックで拡大】

陶磁器用のゴム印。「最近は注文が少なくなった」 【写真をクリックで拡大】

陶磁器用のゴム印。「最近は注文が少なくなった」 【写真をクリックで拡大】

1972年に創業した加藤印舗 【写真をクリックで拡大】

1972年に創業した加藤印舗 【写真をクリックで拡大】

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やきとり 金ちゃん

57:「やきとり 金ちゃん」 【新瀬戸商店街】

・炭火で串物 ずーっと90円

世の中の景気とは関係なく、1本90円。そんな焼き鳥屋が瀬戸市東横山町にある。20年前に生まれ、やきもののまちで愛されてきた。創業時から続く赤字覚悟の値段を守ると、店主は心に誓っている。

名鉄瀬戸線新瀬戸駅の南の路地を西に数分のところにある「金ちゃん」。店主の金原(きんぱら)健一さん(71)と妻美代子さん(同)が立つ30席ほどの店内は、いつも酔客でにぎわっている。

静岡生まれの金原さんは、トヨタ系工作機械メーカーに電気工として入社。40歳半ばまで勤めた後、脱サラして最初は安城市で食品加工会社を興した。順調に業績を伸ばしたが、5年目に設備投資の必要に迫られ、経営を断念した。そのころ、名古屋市内に本店を持つ焼き鳥店が現在地に瀬戸店を出す話があり、雇われ店長として転身することに。1年後、本店の撤退とともに瀬戸店も閉めることになり、これを機に店の権利を買い取ることを決断。1994年に「金ちゃん」としてのれんを掲げて店の歴史がスタートした。

店の看板メニューは炭火にこだわった焼き鳥だ。「ももに皮、手羽先などガスで焼くと臭いが移る。ふっくら焼けないしうまくないよね」と金原さん。味付けはタレと塩があり、タレは創業時からの継ぎ足しで、「ようやく うまみが出てきた」という。牛スジとコンニャクを、味噌仕立てのタレで煮込んだ「どて煮」(380円)も年中味わえる自慢の一品。味噌ダレも焼き鳥のタレと同様の継ぎ足しで、「この味噌ダレにくぐらせた串カツもぜひ食べてみて」と美代子さん。

串物4、5本とほかに何かつまんで少し飲んで1100円〜1200円。一番高い一品料理でも、野菜がたっぷり入った水炊き風の湯豆腐で500円と格安。大半が200円台で楽しめる。金原さんは「楽しく飲んで、食べて、明日への英気を養ってほしいよね。儲けは二の次、だから値上げは一度もしていないし、これからもするつもりもない。お客さんに喜んでもらえるのが何よりうれしい」と力を込める。

「お客さんに恵まれているけど、うちは店を手伝うアルバイトにも恵まれている」と、美代子さん。代々、名古屋学院大学の学生が働き、「気持ちよく動いて店の雰囲気をよくしてくれている」と、目を細める。

閉店後の帰宅は夜遅くなるため、女子のバイトは下宿先まで必ず送る。「玄関を開けて中に入り、部屋に電気が付くのを見届ける」と金原さん。「親元を離れた子が大半で、大事な子どもさんを預かっている以上、家に送り届けるまでが雇い主の責任」と厳格だ。

学生時代に親代わりとなった金原さん夫婦のもとには、これまでに12人の元バイト生から結婚式の招待状が届いた。「社会人となって成長した姿を見られるのは幸せ」と2人はしみじみ語る。

金原さんは、「予約も貸し切りも受けない。誰がいつきても入って楽しめる店づくりをこれからも目指していきたい」と話している。

【あゆみ】
1994年に現在地に創業。屋号の「金ちゃん」は、店主の愛称。

【メモ】
瀬戸市東横山町47
名鉄瀬戸線新瀬戸駅南の路地を西へ徒歩3分
TEL:0561-21-0101
営業時間:午後5時〜11時(日曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

話好きで楽しい金原健一さん、美代子さん 【写真をクリックで拡大】

話好きで楽しい金原健一さん、美代子さん 【写真をクリックで拡大

イチオシのどて煮 【写真をクリックで拡大】

イチオシのどて煮 【写真をクリックで拡大

雰囲気のある店内 【写真をクリックで拡大】

雰囲気のある店内 【写真をクリックで拡大】

瀬戸に店を構えて20年の金ちゃん 【写真をクリックで拡大】

瀬戸に店を構えて20年の金ちゃん 【写真をクリックで拡大】

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