65:「マルコウ商店」 【瀬戸新開地商店街】
・蔵元訪ね、ほれ込んだ酒瀬戸街道「新開地」交差点南西角にある酒屋「マルコウ商店」。一歩足を踏み入れると、所狭しと見慣れないお酒が並ぶ光景に圧倒される。4代目店主の加藤大典(だいすけ)さん(40)は「自分の目と舌で確かめたものばかり。つまみや調味料なども品質を重視して仕入れている」と自信を覗かせる。 棚には、加藤さんが全国津々浦々の蔵元を訪ね歩き、ほれ込んで取り寄せた日本酒や焼酎のほか、販売時期や本数が限られている生原酒などが並ぶ。一角には、自らJSA認定ソムリエの資格を取得し、品種や産地にこだわったワインやシャンパンも貯蔵している。 「自分が感動したお酒だから、自信を持ってお客さんに薦められる」と加藤さん。特にお薦めは、華やかな吟醸香がありすっきりとした味わいを楽しめる愛知県産の「ほしいずみ」。若き名杜氏がほとんどの工程を手造りで仕込んだ豊田の地酒「菊石」、甘酸っぱい滑らかな口当たりとビン内発酵による炭酸の味わいが不思議な奥三河・関谷醸造の明眸「志野」などもお薦めという。 マルコウ商店は、加藤さんの曽祖父・幸松(こうまつ)さんが大正時代に現在地に創業したのが始まり。会社組織になったのは1930年で、当時は野菜、味噌、醤油、アイスキャンディー、焚き木など、様々なものを売るよろず屋的な店だった。酒類販売免許を受けて酒屋となった。 販売者と顧客との懸け橋にしようと、58年には「とん焼き マルコウ」(午後4〜9時。土日祝日休み)を祖父の一男さん(故人)、父親の毅さん(74)が、店からやや西側の街道沿いに開いた。 店の自慢は、氷冷式サーバーでゆっくり時間をかけて冷やしてグラスに注ぐ生ビール。国内に数台しか現存しない最古のサーバーで、きめ細かいクリーミーな泡立ちで苦みを感じさせず、何杯でも飲めてしまうビールが楽しめるという。サーバーの中にらせん状に管を這わせ、そこに氷が張ってある。「毎日の掃除の手間と氷のロスが大きいが、昔ながらのとん焼きとともにおいしいビールを味わってほしい」と加藤さんは力を込める。 加藤さんは高校を卒業後、兵庫の酒類問屋で3年ほど修業し、店に入った。店に立ち痛感するのはお酒の奥深さ。「自分がおいしいと思っても、お客さんの好みに合うとは限らない。香りや風味、燗がいいとか冷やが合うとか、特徴を把握したうえで、個々に合ったお酒がお薦めできるよう、勉強の毎日です」。 客に対しては、「あまり深く考えず、例えば『この料理にはどんなお酒が合うだろうか』などと、気軽に尋ねてもらえれば。ワインも特別な日に開けるのではなく、カジュアルに飲んでほしい、飲食がもっと楽しくなるはずです」とアドバイスする。また、「お酒のうんちくだけでなく、地域に残る蔵元やそこで働く人たちの物語も伝えていけたら」と加藤さんは語る。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
|
当日の放送はこちらから↓
Podcast: Play in new window | Download
Pingback: 瀬戸新開地商店街 | 突撃!瀬戸のげんき商店
Pingback: 全記事一覧 | 突撃!瀬戸のげんき商店