59:「お好み焼き カズ」 【新瀬戸商店街】
・蒸し焼きでフワフワ 懐かしのごっそ焼きも愛知環状鉄道瀬戸市駅ロータリーのまさに真ん前にあるお好み焼き「カズ」。藤沢金春さん(71)が1983年に現在地で創業した。「うちの味を楽しみに来てくれるお客さんがいる限り、1日でも長く店を開けていたい」と、日々感謝の気持ちで鉄板に向き合う。 瀬戸ならではの「ごっそう焼き(ねぎうす焼き)」(650円)とふっくら仕上げる「お好み焼き」(700〜850円)が自慢の味。ランチ時には串かつやコロッケなどの定食もの、夜はビールにねぎまなど居酒屋メニューも献立に上る。 ごっそう焼きは、水溶きの小麦粉を鉄板に薄く伸ばし、魚粉、アミエビ、ショウガ、たっぷりのネギを入れて焼く。仕上がりに醤油を塗って青のりを振り掛けたシンプルな品だ。瀬戸では50代以上の人たちが子ども時代に親しんだ庶民の味で、今ではメニューに載せる店は見当たらない。「懐かしい味がすると、酒のつまみに注文する年配客が多いですね」と藤沢さん。 お好み焼きは、独自配合した粉にだしと具材を入れて混ぜ焼きする。ポイントは、ボウルを改良して作った特性フタをかぶせての蒸し焼きで、両面を焼き上げるのに約15分間待つ。藤沢さんは、鉄板に乗せてから返す時以外は触らない。「これがふっくら焼き上げるコツ」という。 味の決め手となるタレはやや甘め。ケッチャップにソース、みりん、胡椒(こしょう)などを混ぜて作る。火にかけてから一旦冷まし、しばらく寝かせて完成させる。「10年くらい試行錯誤したかな。季節によっても配合を変えている」と藤沢さん。 藤沢さんは元生コン会社社員で大型ミキサー車に乗っていた。体力的にきつく、将来に不安を感じて40歳で一念発起、飲食の道へ転身した。不安はなかった。妻の和さんがその6年前、北脇町でお好み焼き屋を開いており、藤沢さんも休日に手伝うなどして肌に合うことを感じていたためだ。「そのころ駅前が発展していく途中で、この店は新築の貸店舗でした。ここで妻と一緒にとも考えましたが、すでにお客さんが付いていたこともあり別々で店を構えることになりました」と藤沢さん。 屋号について藤沢さんは、「妻の名前です。妻の店の名前も『和』。和んでもらえる店にという思いからですが、同じでは芸がないのでカタカナにしました」と話す。 夫婦それぞれの店で切磋琢磨しながら歩んできた。「同じ材料、焼き方をしても、同じ味にならないのは不思議」と藤沢さん。カウンター8席に4人掛けのテーブル2つ。気取らない店構えと変わらない味に魅せられたファンが、今日も店に足を運ぶ。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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