婦人服の「マルサン」

93:婦人服の「マルサン」 【末広町商店街】

・高級婦人服扱い75年

瀬戸市の深川神社前の宮前橋から南へ。末広町商店街のアーケード街の入り口に婦人服専門店「マルサン」がある。「バルマン」、「三星ドレス」など国内外の高級ブランドを多数そろえる。2代目店主の掛布将之(かけのまさし)さん(72)、妻の幸子さん(同)がのれんを守っている。

親類の呉服屋で外商をしていた父親で初代の浩さんが1939(昭和14)年、生地販売と仕立てをする洋装店として末広町商店街の中ほどで創業した。当時は花嫁修業の1つに和裁、洋裁があり、嫁入り道具にミシンを持っていく時代だった。母親の君江さんは洋裁学校を卒業しており、将之さんは「瀬戸では洋裁の技術を持つ人は少なく、店は繁盛した。洋服を縫うだけでなく、店で洋裁も教えていた」と、創業期を振り返る。

戦火が激しくなった44年に一旦、店を閉めて江南市に疎開した。店を再開したのは8年後の52年だった。その後、66年に現在地に移転した。再開から移転しての数年間は戦後の復興期。将之さんが高校を卒業後、静岡県で修業を終えて店に戻ったころでもあった。

「そのころは集団就職で地方から瀬戸へ働きに出てきた女性も多く、既製品にもいいものが出始めていた」と将之さん。そこで、その女性たちを対象に防寒コートやオーバーなどを安く並べてみたところ「飛ぶように売れた」という。また、店の生地を活用して、“アッパッパー”と呼ばれたハワイの「ムームー」様のワンピースを作って夏の家庭着として売り出したところ、「これもよく売れた」と幸子さん。

世間がおしゃれに関心の目を向けていることを感じとり、「これからは既製品の時代になる」と、「洋装店」から「洋品店」に業態を転換した。さらに既製服からプレタポルテ(高級既製服)志向になっていくなかで、2人は「安売り競争では将来が見通せない」と、高級既製服を主に扱う店へと舵を切り、店の拡大に力を注いでいった。

将之さんは、「先代は店でファッションショーを開いたりもしていた。時代の風をいち早く読む力があった」と語る。「高くていいものが売れなくなり、低価格の洋服店が郊外に進出する中、販売路線を変えずに商店街で商売が続けられるのは、経営方針が正しかったから」と将之さんは先代に感謝すると同時にこれまでを振り返る。

まわりの衣料品店が商売をやめていく中で、店を持続させていくむずかしさを痛感している。それでも商売を存続させていくことが、2代目としての役割であり、地元の人たちから愛され続けてきた店としての使命だと話す。

【あゆみ】
1939年に洋装店として末広町商店街の中ほどの場所で創業。疎開のため44年から8年間店を閉め、52年に再開した。66年に現在地に鉄筋4階建ての住居兼店としてリニューアルオープンした。

【メモ】
瀬戸市末広町2の1
名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅から瀬戸川右岸沿いを東へ
深川神社参道前の宮前橋を南へ渡り、東西アーケード街入口のすぐ手前
TEL:0561・82・4215
営業時間:午前10時〜午後6時半(火曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

話好きで気さくな2代目店主の掛布将之さん、幸子さん 【写真をクリックで拡大】

話好きで気さくな2代目店主の掛布将之さん、幸子さん 【写真をクリックで拡大】

国内外のブランドが並ぶ店内 【写真をクリックで拡大】

国内外のブランドが並ぶ店内 【写真をクリックで拡大】

間口の広いマルサン 【写真をクリックで拡大】

間口の広いマルサン 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 93:マルサン, 末広町商店街 | 3 Comments

波多野耕文堂

92:「波多野耕文堂」 【瀬戸新開地商店街】

・オフィス環境 改修提案

瀬戸街道(国道363号)の市役所南交差点すぐ東に位置する「波多野耕文堂」。1937年に文房具屋として京町で創業し、64年に現在地に移転した。現在は文房具類の店頭販売と、外商によるオフィス用OA機器の販売・リース・メンテナンスを軸に経費削減に結びつくオフィス作りを提案している。

本格的な景気回復には程遠いなかで、法人は文房具・事務用品などの経費削減に知恵を絞っている。3代目の波多野耕司社長(38)によると、「業況の低迷で出費を抑えている企業もエコ推進や経費削減につながる投資には前向き」と語る。このため、IT機器のシステム化、ペーパーレス化など、「コスト削減効果につながるオフィス作りの提案が営業の柱になっている」。

既存のオフィスや施設の内装、OA機器のシステムを改修する際に、従業員らに現状の使い勝手や印象を聞き取る。運用開始当初の間取りや設備配置は業務実態に即していない場合があり、調査により問題点を浮彫りにして改修の設計に役立てる。「社員が働きやすいオフィス環境が整えば、業務効率の向上とともに業績が上がり、その結果、経費やコスト削減にもつながる」と波多野社長。

同社では、「機器類は故障するもの」と、常にトラブルを想定。専門技術者を育成して営業チームに配置するなどメンテナンス・サポート態勢を整えている。復旧に時間がかかるほど会社の損失は拡大する。「復旧技術はもとより、なぜ故障したのかを顧客に明確に説明できるようスキルアップを図っている。ここがパートナー企業として信用につながる大切な役割」と強調する。

波多野社長は大学卒業後、キャノンに入社。営業畑を歩み3年後、先代が病に倒れたことから店に戻り、その2年後に社長に就いた。社内では最若手で、地元企業者の集まりでも圧倒的に若かった。「大変な状況になったと心配したが、逆に若いゆえにかわいがってもらった」と、当時を振り返る。

助けられた経験があるからこそ、「若手の働きやすいオフィス環境づくりとは」と、常に意識してきたという波多野社長。その結果、「オフィスからその環境を整えることができることに気付いた。当社もオフィスリニューアルで成功した企業の1つ。実例を基にお客様に提案をしている」と語っている。

【あゆみ】
1937年に初代耕作さんが文房具屋として京町で創業。64年に現在地に移転、87年には尾張旭市に名古屋営業所を開設。2代目の耕一さんの代で業務を拡張した。2013年5月には本店を改築。文房具、OA機器を扱うほか、ピアノ、エレクトーンなどの音楽教室も運営している。

【メモ】
瀬戸市陶原町6の13
瀬戸街道「市役所南」交差点すぐ東
TEL:0561-82-1177
営業時間:午前9時〜午後7時 土曜午前10時〜午後5時半(日曜・祝日休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

「働きやすいオフィス環境こそが業績アップにもコスト削減にもつながる」と語る波多野耕司社長 【写真をクリックで拡大】

「働きやすいオフィス環境こそが業績アップにもコスト削減にもつながる」と語る波多野耕司社長 【写真をクリックで拡大】

2013年7月に改装した瀬戸本店の文房具売り場 【写真をクリックで拡大】

2013年7月に改装した瀬戸本店の文房具売り場 【写真をクリックで拡大】

創業77年の波多野耕文堂 【写真をクリックで拡大】

創業77年の波多野耕文堂 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 92:波多野耕文堂, 瀬戸新開地商店街 | 2 Comments

日本料理 あかつき

90:日本料理「あかつき」 【瀬戸新開地商店街】

・包丁技光る予約会席と仕出し

予約専門の日本料理店。四季折々の食材を活かした会席料理と仕出しを提供し、特に祝いの料理に定評がある。この道に入って54年になる2代目店主の若杉俊樹さん(72)、3代目の貴司さん(44)親子が腕をふるっている。「心に残る料理とおもてなし」をコンセプトにしているという。

こじんまりとしながらも和の設えで落ち着いた雰囲気の店内。手入れの行き届いた板場では、2人が仕込みに忙しく動き回っている。前々日までの完全予約制。「常に新鮮な食材で調理した料理をお出ししたいため」と貴司さんは店の姿勢を語る。

包丁を使って野菜などを紅葉や松葉に細工する「飾り切り」を得意とする俊樹さん。巧みを凝らした料理の数々が堪能できる会席を4200円と5000円、6000円(いずれも税込み)からの各コースで提供している。着物姿の若女将千春さん(42)が食事の進み具合を見極めながら一品ずつ運んでくれる。

2月のある日のお品書きでは、胡麻豆腐にウニが添えられた先付け、オクラとモロヘイヤのメカブ和えの弐の盛り、穴子八幡巻、海老のあられ揚げ、菜花の胡麻和えなどの前菜。さらに4種類の造り、サワラの黄金焼き、飛騨牛とキノコの朴葉焼き、サザエの磯煮、カレイの姿揚げ、タラバガニの酢の物など…。料理の盛り付けに、器の工夫にと、誰もが満足するであろう内容だった。

創業は1950年。俊樹さんの母トシエさんが飲食店(食堂)として店を構えたのが始まり。俊樹さんの代で日本料理店になった。大学進学を望んでいた俊樹さんは4人兄弟の長男で、「店を継がないわけにはいかない」と、その夢を諦めた。しかし大学は受験。「自分自身にけじめをつけたかった」と、合格通知を手に気持ちを切り替え、修業に向かった。腕を磨いて6年後に店に戻った。

貴司さんは大学院を出て、滋賀県甲賀市信楽町の陶磁器会社のデザイナー職に。店に戻ったのは5年前だった。「父には自分の行けなかった大学も大学院にも生かせてもらい好きな仕事にも就かせてもらった」。40歳を前に、母の勧めもあり感謝と敬意を込めて店を継ぎたいと申し出た。俊樹さんについての下積みは「洗い」「配達」から。「まともに切れて当たり前。きれいに作って当たり前。料理の基礎をたたき込まれている」と研鑚の日々を語る。

デザイナーとしてキャリアを積んできだ貴司さんは、これまで以上に食器、盛りつけなど見た目の美しさにもこだわりたい考えだ。「和食は、食器や店の雰囲気などと一緒に味わうもの。ゆったり料理を楽しんでもらいたいから」。

その思いは仕出し(5人前から)にも生かされている。塗りの器で家庭や会社、自治組織、慶弔会場などへ届ける箱膳(3000円〜)や、割り子弁当(1000円〜)も「きっちりしている」「色彩も鮮やか」などと、リピーターの声からも分かる。

夜の明けるころをあかつきという。「これからどんどん明るくなり発展していく」と、屋号に込められた初代の思いをかみしめる貴司さん。こだわりの父の仕事を引き継ぎつつ、これまでのデザイナーの仕事も料理に結び付けながら、「精一杯のおもてなしの心でお客さまに向き合っていきたい」と語っている。

【あゆみ】
1950年(昭和25)年、初代が食堂として現在地の向い側で創業。しばらく後に現在地に移転、20年前に改築した。2代目から日本料理の店として再出発して現在に至る。

【メモ】
瀬戸市陶原町4の85
瀬戸街道「新開地」交差点を南へ約100メートル 尾張瀬戸税務署前
TEL:0561-82-3888
会席営業時間:午前11時〜午後3時/午後5時〜同9時
(※完全予約制 座敷、仕出しともに2日前までの要予約)
仕出し配達は瀬戸市内全域

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

3代目の若杉貴司さん、千春さん(前列)、2代目俊樹さん(後列左)、板場を手伝う俊樹さんの甥・若杉祐介さん 【写真をクリックで拡大】

3代目の若杉貴司さん、千春さん(前列)、2代目俊樹さん(後列左)、板場を手伝う俊樹さんの甥・若杉祐介さん 【写真をクリックで拡大】

彩りも鮮やかに盛りつけられた会席料理の品々 【写真をクリックで拡大】

彩りも鮮やかに盛りつけられた会席料理の品々 【写真をクリックで拡大】

和の設えで落ち着いた雰囲気の日本料理「あかつき」 【写真をクリックで拡大】

和の設えで落ち着いた雰囲気の日本料理「あかつき」 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 91:あかつき, 瀬戸新開地商店街 | 3 Comments

今週のダイジェスト放送(3月16日)

・效範西部商店街(3月10日~3月15日放送分)

毎週日曜日はその週に放送したものを
まとめたダイジェスト版をお送りしています。

【収録内容】

「井上不動産」 (3月10日放送)
「ハヤシ事務器」 (3月11日放送)
「エステティックサロンkoushou」
(3月12日放送)
「效範米穀店」 (3月13日放送)
「理容みどり」 (3月14日放送)

当日の放送はこちらから↓

Posted in 86:井上不動産, 87:ハヤシ事務器, 88:コウショウ, 89:效範米穀店, 90:理容みどり, ダイジェスト放送, 效範西部商店街 | Leave a comment

理容みどり

90:「理容みどり」 【效範西部商店街】

・くつろぎの1時間を

瀬戸市北脇町の県道沿い。松原町交差点のすぐ東にある「みどり理容院」。この地に店を構えて約半世紀になる。店に入ると“チョキチョキチョキ”と、ハサミの小気味よい音を響かせながら、2代目店主の鵜飼宏充さん(46)、妻のさつきさん(38)が和やかに迎えてくれる。

鵜飼さんの母・梅子さん(83)が創業した。当時は叔母も手伝っていた。父・英雄さん(81)は陶磁器関係の仕事に就いていたが、出張が頻繁にあり家を空ける時間が多かったことから転身を決め、理容師免許を取得し後に店に立つようになった。

宏充さんは両親の仕事を見て育ち、「同じ道へ進むことは自然の成り行きで何も抵抗はなかった」。高校卒業、理容学校を経て豊田市内の床屋で修業し25歳で店に戻った。

宏充さんによると、店に入った当時は、「パーマや角刈り、丸く作ったりと年々ではやりの髪形があった」と振り返る。現在は「個性の時代か、十人十色。はやりはあまりなくなった」と話す。

同店には、無料で頭皮のチェックができるマイクロスコープを置いている。散髪時に子どもに見せるためのDVDプレーヤーにつないで髪の毛や毛根の拡大画像を映し出す。毛根部分に脂が浮いていたり、髪の毛の根元にシャンプーの洗い残しがあったりすると抜け毛の原因になることも。「確認しながら頭髪の手入れのアドバイスができますよ」とさつきさん。宏充さんは「薄毛を気にされている人ほど、あまり気にしなくてもいい人が多いですよ」と笑う。

最近、年配客に人気は「白髪ぼかし」(1500円)。白髪が気になり始めた人に酸性の染料で髪の毛の表面をねずみ色っぽく自然に染め上げる。髪の芯まで染める毛染めとは異なり、髪へのダメージが少なく数分で終わるため、「毎回利用されるお客さんも多いですね」と宏充さんは話す。

今年2月、瀬戸市で一番の長寿だった105歳の祖母が亡くなった。訪問の度に病床で髪の毛を切ってあげた宏充さんは、「さっぱりした。気持ちよかった」という祖母の声が忘れられないという。

「『さっぱりした』とは床屋にとっては最高のほめ言葉ではないか」とあらためて受け止めた2人。「どのお客さんにもそう言ってもらえるように、ここに座ってもらった1時間は一人ひとりにしっかり向き合っていきたいですね」と、地域に根を下ろした店づくりを目指していくつもりだ。

【あゆみ】
約50年前に現在地に創業。現在は2代目の宏充さん、さつきさん夫婦がのれんを守っている。男性客ばかりでなく成人式や結婚式など顔剃りで来店する女性客も足を運んでいる。

【メモ】
瀬戸市北脇町31の5
名鉄瀬戸線水野駅北の松原町交差点東へすぐ
TEL:0561-21-2419
営業時間:午前8時〜午後8時(火曜、第2・3月曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

2代目店主の鵜飼宏充さん、さつきさん夫婦。さつきさんは吹き出物が顔にでき「マスクで失礼します」 【写真をクリックで拡大】

2代目店主の鵜飼宏充さん、さつきさん夫婦。さつきさんは吹き出物が顔にでき「マスクで失礼します」 【写真をクリックで拡大】

手入れを欠かさない鵜飼さん愛用のすきハサミなど 【写真をクリックで拡大】

手入れを欠かさない鵜飼さん愛用のすきハサミなど 【写真をクリックで拡大】

2代にわたって続くみどり理容院 【写真をクリックで拡大】

2代にわたって続くみどり理容院 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 90:理容みどり, 效範西部商店街 | 2 Comments

效範米穀店

89:「效範米穀店」 【效範西部商店街】

・玄米仕入れ 精米したて

瀬戸市北脇町の旧瀬戸街道沿いにある。明治時代後期創業の米穀店だ。店内には、米袋に入った18種類ほどの玄米が並ぶ。産地ごとに分け、無農薬栽培米、減農薬特別栽培米など農薬・肥料の使用状況や米の特性などが表記されている。「同じ品種でも産地や年によっても味が違うところがおもしろい」と、5代目店主の伊藤克英さん(42)は語る。

店頭に並ぶ玄米は、3分、5分、7分、白米などと、客の好みに応じた精米で計り売りをしてくれるのが同店の特徴。精米してから1週間以内の袋詰めした白米も並ぶ。最近は健康志向熱が高まり、食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富な玄米の栄養素を残した“分づき”の米を求める客も増えているためだ。「数字が大きくなるほど、糠(ぬか)をそぎ落とした白米に近くなる。玄米はぼそぼそして食べにくいため、7分づきくらいから試されるといいですよ」と克英さん。

先代の充之さん(69)によると、2013年は日本穀物検定協会(東京・中央)が公表した食味ランキングで最高の「特A」評価を受けた米が38銘柄(前年は25)と豊作だった。近年は温暖化の影響か、北海道でも品質のよい米が採れるようになっているという。このところよく見かける「ゆめぴかり」(10キロ4700円)もその1つで、「粒が厚く、ほどよい粘りと豊かな甘みが特徴で人気ですよ」と先代。

また、克英さんによると「ブランド米を生み出そうと努力をしている産地も多い」。熊本県ではPRキャラクター「くまモン」の推奨マークを貼った「森のくまさん」(10キロ4400円)という銘柄が誕生している。県が独自に作成した「推奨うまい米基準」をクリアした銘柄の1つで、ふっくらしていながら硬めの食感が楽しめるという。

米屋の現状は厳しい。1995年の新食糧法施行で米販売は自由化され、競争力のあるスーパーやドラッグストアなどが新たに参入し、廃業に追い込まれた店も少なくない。米の購入先は、米穀安定供給確保支援機構(東京・中央)によると、2013年度はスーパーが45%、生協8%、農家直売7%、親類(無償)23%で、「米屋は4%しかない」と先代は嘆く。かつて瀬戸には60軒ほどの米屋があったが、現在は半数以下で、開店休業状態の店もあるという。

同店では、「精米したての米が一番おいしい」と、玄米の仕入れにこだわり、量販店との差別化に努めている。客の好みに合わせたきめ細かな精米は専門店ならでは。ブレンドの技術も腕のみせどころで、これも量販店や産直にないサービスだ。30キロ以上の米の買い置きサービスも始めている。まとめ買いで割り引き率が高くなり、低温倉庫で管理、保管していつでも好きな量をお好みの精米で出してくれる。

克英さんは、「麺類やパンなどを好む人も多く食生活は多様化しているが、日本人に米は欠かせない。量販店にはない新鮮で『うまい米』を売る専門店に徹し、米の良さを広めていきたい」と語っている。

【あゆみ】
1905年に創業。初代が馬宿として開いたのが始まり。1952(昭和27)年に米穀店として現在地に落ち着くまでは、「米を中心にした食料品の配給所として近隣13ヵ所を転々とした」(充之さん)。

【メモ】
瀬戸市北脇町39の1
名鉄瀬戸線水野駅すぐ南の旧瀬戸街道を東へすぐ
TEL:0561-82-4390
営業時間:午前9時〜午後8時(火曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

先代の伊藤充之さん、5代目の克英さん 【写真をクリックで拡大】

先代の伊藤充之さん、5代目の克英さん 【写真をクリックで拡大】

厳選して仕入れた玄米が並ぶ店内 【写真をクリックで拡大】

厳選して仕入れた玄米が並ぶ店内 【写真をクリックで拡大】

1905年創業の效範米穀店 【写真をクリックで拡大】

1905年創業の效範米穀店 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 89:效範米穀店, 效範西部商店街 | 2 Comments

エステティックサロン「koushou」

88:エステティックサロン「koushou」 【效範西部商店街】

・手から伝わる癒し

「体のメンテナンスでずっと元気に美しく」をキャッチフレーズに掲げるエステティックサロン「koushou(コウショウ)」。昨年6月からは微弱電気を活用したエナジーテラピーの設備など最新の健康機器も導入。健康づくりに信頼の輪を広げている。

猪塚昌江さん(52)が12年前、現在地に創業した。きっかけは自身の闘病生活。病気になってからいろいろな出会いがあったといい、「自分と同じような悩みを抱えている人たちにも、前を向くようになった私の思いとともに、健康の大切さを伝えていけたら」とサロンを開業した。

病気がちな人は目の下にしみができ顔色が悪いことなどから、肌の活力アップを図るフェイシャルエステから始めた。基本は健康・美容・癒しの方法として注目されているリンパセラピー。体内のリンパ液の流れが滞るとむくみや冷えなどが起こる原因となるため、手でソフトな圧力をかけながら体の各リンパ節に向けてマッサージを施していく。「癒しを感じてもらいながら免疫力アップにつなげるようにしています」と猪塚さん。

力を入れているエナジーテラピーは、このリンパにツボ、経絡、ストレッチの各マッサージを融合させた新しいマッサージ方法だ。特殊な装置から発生させた微弱電気を体に流して筋肉などを刺激するのが特徴。

全身をめぐる経絡(気の通り道)に沿ってのマッサージとともに、電極を介したセラピストの手を通して電気を流す。このため、手技では届かない奥深い筋肉まで電気の力で刺激することができ、緊張やコリがほぐせるという。筋肉を伸縮させるため、筋力アップにも効果があるそうで、全身の引き締めやリフトアップにもつながるという。

病気を経験した猪塚さんにとり、リンパマッサージなどは体力的な消耗も激しかった。エナジーテラピーを手掛けるようになってからは「私自身も常にマッサージを受けている状態で疲れも残らなくなった」とその効果を話し、「1人でも多くの人に体験していただき、笑顔になってもらえれば」と呼び掛ける。
エナジーテラピーメニュー=フェイシャル(40分5800円)、リラクゼーション(60分9800円)。チケットもあり。予約制。

【あゆみ】
1983年に現在地で創業。家庭用の文具やオフィス用の事務機器を専門に取り扱う。12年前に現在地に開業。フェイシャル、リンパセラピーをはじめ、2013年からはエナジーテラピーを開始した。

【メモ】
瀬戸市北脇町276サンワフードビル3F
名鉄瀬戸線水野駅すぐ西
TEL:0561-85-4894
営業時間:午前10時〜午後6時(火曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

「エステを通して健康の大切さを伝えたい」と語る猪塚昌江さん 【写真をクリックで拡大】

「エステを通して健康の大切さを伝えたい」と語る猪塚昌江さん 【写真をクリックで拡大】

エナジーテラピーを施す猪塚さん。通常はベッドに横になり、素肌に施していく 【写真をクリックで拡大】

エナジーテラピーを施す猪塚さん。通常はベッドに横になり、素肌に施していく 【写真をクリックで拡大】

マンションの1室に入るKoushou 【写真をクリックで拡大】

マンションの1室に入るKoushou 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 88:コウショウ, 效範西部商店街 | 2 Comments

ハヤシ事務器

87:「ハヤシ事務器」 【效範西部商店街】

・細かな相談にも対応

家庭用の文具やオフィス用の事務機器を幅広く取り扱う専門店。店舗での小売りと、官公庁や民間事業所などへの外商とが柱で、店主の林和比古(かずひこ)さん(62)、妻の恵子さん(61)が2人3脚で切り盛りする。

現在は外商が中心になっている。「デスクマットの形を変えられないか」「印刷物の仕様を変更したい」など、客からの細かな注文にも対応する。「フレキシブルさが大手との差別化かな」と林さん。

創業は1983(昭和58)年。高校を卒業後、文具卸店で18年間勤務したた林さんは「自分の足跡を残したい」と、脱サラして現在地の住居を改築して店を構えた。

開店から15年間ほどは店売りが中心だった。当時は、まだ少なかったキティちゃんなど、キャラクターのデザインされた文具類を多く取り揃え、他店との差別化を図っていた。「小・中・高校生に大変よく売れる時代が続いた」と林さんは振り返る。

また、そのころは朝8時から夜は10時まで店を開けていた。急な要り用で夜遅い時間帯や出勤、登校前に駆け込んでくる人もあり、「『空いていて助かった』などと感謝されると、地域密着店としての実感とやりがいを感じる」と、開業の喜びを語る。

10年ほど前のある日の夜、「不審者が付いてくる」と、20歳くらいの若い女性が助けを求めて店に飛び込んできたことがあったという。「この店の存在自体が防犯面で役立った。店にもいろいろな地域への係わりがあるものと、改めて考えさせられる出来事だった」と林さん。

時代とともにキャラクターグッズを扱うショップが大型商業店などに出始めると同時に、個人店では店売りが厳しくなった。このため、少しずつ外商に比重が移っていった。

林さんは、「書類の束など重たい商品が持てなくなるまでは現役で頑張りたい。どんな相談でも受けられる店として」と、前を見据えている。

【あゆみ】
1983年に現在地で創業。家庭用の文具やオフィス用の事務機器を専門に取り扱う。

【メモ】
瀬戸市松原町1の37
名鉄瀬戸線水野駅北の「松原町」交差点を西へすぐ
TEL:0561-83-8878
営業時間:午前9時〜午後7時(日曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

創業者の林さん夫婦 【写真をクリックで拡大】

創業者の林さん夫婦 【写真をクリックで拡大】

店内には文具類や外商で納める書類などが並ぶ 【写真をクリックで拡大】

店内には文具類や外商で納める書類などが並ぶ 【写真をクリックで拡大】

創業31年目の林事務器 【写真をクリックで拡大】

創業31年目の林事務器 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 87:ハヤシ事務器, 效範西部商店街 | 3 Comments

井上不動産

86:「井上不動産」 【效範西部商店街】

・信頼と真心で

名鉄瀬戸線水野駅の真ん前に事務所を構える不動産店。1983年に創業した。「信頼と真心」をコンセプトに、心のこもった不動産業全般のサービスを提供している。

社長は井上勝己(63)さん。父親が営む燃料店(同市北脇町)の次男として生まれ、大学卒業後に不動産会社勤務などを経て、81年に燃料店内に不動産部を開き、その2年後に独立して現在地で事務所を構えた。

瀬戸市界隈の土地、建物の売買を中心に、アパートやマンション、駐車場の賃貸、仲介業務などを行っている。この地域の不動産の特徴は、土地から陶磁器の破片(産業廃棄物)がよく出てくること。「陶磁器関連施設跡地の売買では、契約前に調べておく必要がある」と井上社長。産廃は同跡地以外からも意外に出てくるという。後々にトラブルの元となる場合もあり、「『少々のことなら大丈夫』と安易に考えないように」とアドバイスする。

井上社長によると、ここ数年は景気低迷を受け、土地などの物件があまり動かなくなっている。ただ、近隣の豊田、長久手などでは地価が上がる一方、瀬戸では比較的安価で推移しているという。このため、春日井、瀬戸、豊田とを結ぶ愛知環状鉄道沿線では、豊田方面の自動車関連企業に勤める人たちが、利便性の良さと地価の安さなどから瀬戸に住居を求める傾向が高まっているという。「言い換えれば瀬戸がお買い得ということ」。

井上社長が商売を始めた当時は、顧客の多くが先輩にあたる年代の人たちばかりだった。「人情味のある人が瀬戸には多く、仕事以外でも学ぶべきことが多かった」と振り返る。旅行やカラオケ、釣りなど趣味の付き合いに発展した人もあり、「公私ともにお世話になりありがたいことです」と微笑む。

同社では、独立を志す若い人を積極的に採用している。「優秀な人材が増えることが業界の活性化につながる」との思いがあるからだ。「夢を持つ人材は勤勉で吸収も早い」と井上社長。これまでに4人が巣立った。「今後はライバルになるが、関係は歳の離れた兄弟ですよ。応援してあげなければ」と目を細める。

【あゆみ】
1981年に家業の燃料店の不動産部として設置。2年後に現在地に独立開業した。95年には同所在ビルを購入。現在は30歳前後の社員5人を抱える。

【メモ】
瀬戸市效範町2の72
名鉄瀬戸線水野駅前
TEL:0561-83-1212
営業時間:午前8時半〜午後7時(日曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

井上社長(後列中)と社員ら 【写真をクリックで拡大】

井上社長(後列中)と社員ら 【写真をクリックで拡大

水野駅前の井上不動産 【写真をクリックで拡大】

水野駅前の井上不動産 【写真をクリックで拡大】

当日の放送はこちらから↓

Posted in 86:井上不動産, 效範西部商店街 | 3 Comments

今週のダイジェスト放送(3月9日)

・南西部商業協同組合 末広町商店街(3月3日~3月7日放送分)

毎週日曜日はその週に放送したものを
まとめたダイジェスト版をお送りしています。

【収録内容】

「千登勢」 (3月3日放送)
「でんきPAL池田」 (3月4日放送)
「コッコラッテ」
(3月5日放送)
「ソマー」 (3月6日放送)
「中島屋」 (3月7日放送)

当日の放送はこちらから↓

Posted in 81:千登勢, 82:でんきPAL池田, 83:コッコラッテ, 84:ソマー, 85:中島屋呉服店, ダイジェスト放送, 南西部商業協同組合, 末広町商店街 | Leave a comment