85:「中島屋呉服店」 【末広町商店街】
・着物の魅力 多くの人に瀬戸市の名鉄尾張瀬戸駅から歩いて8分。創業100年を超える「中島屋呉服店」では、4代目店主の中根範人さん(41)と妻の成美さん(40)、父親の藤雄さん(71)、母親の幸子さん(65)の親子2世代が店を切り盛りする。 範人さんが後を継いだのは6年ほど前。大学に進学し会社員になり、土木の現場監督を3年ほど勤めて店に戻った。呉服店の息子としての下地はあったが「詳しい知識がなければお客さんと話もできない」と、両親に教わりながら修業し、商売のベースをつくっていった。 嫁いできた成美さんにとっては、呉服店は初めての世界。今でこそ着物選びから着付け、下着の相談まで若女将としててきぱきとこなしているが、「初めは『いらっしゃいませ』の声も出なかった。慣れるまではお客さんと話すのが大変だった」と振り返る。 同店では振袖や留袖、子どもの初着などの販売を軸に、洗い、染め・仕立て直しなど手掛ける。子ども用浴衣、手ぬぐい、風呂敷などといった和装小物にも力を入れている。 特によく動く商品が子ども用の浴衣だ。範人さんが問屋を回り、自分の子どもにも着せたいと思う柄を見立てて仕入れている。価格は3000円代からあり、「既製品でも縫い上げなど無料で行うのでぴったり着てもらえる」と話す。浴衣の着せ方や帯の締め方などを図解した小冊子もプレゼントしている。 また、昔から変わらないのが、「孫のために」と訪れる祖父母ら。「『お宮参りに』『七五三に』と、晴着の相談は多い」と成美さんは話す。 範人さんによると、着物業界は年々厳しくなるばかり。一方で、「着物を着る機会は増えている」。地元瀬戸でも着物を着てまち歩きを楽しむイベントや、浴衣姿の来場者に特典をつける観光催事などがある。「とはいえ、タンスの肥やしになっている着物は随分多い。着ないにしても、大切なものですから、染みや汚れの確認をしてほしい」と呼び掛ける。 店の1階には、多彩な色柄の反物が棚に並び、帯類やバッグ、草履なども飾られている。2階は着物の大展示場となっている。「着物に袖を通すと背筋がピンと伸びる」と範人さん。成美さんは、「体系が変わってもすっきり着られるのが着物のいいところ。日本人女性が一番美しく見えるのが着物姿ではないでしょうか」。 着物は日本の文化。かつてのしきたりに縛られる時代でもない。範人さんは、「若い人に着物の魅力をもっと知ってもらいたい。そして気軽に外出できる普段着として楽しんでもらいたい」と力を込める。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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