90:「理容みどり」 【效範西部商店街】
・くつろぎの1時間を瀬戸市北脇町の県道沿い。松原町交差点のすぐ東にある「みどり理容院」。この地に店を構えて約半世紀になる。店に入ると“チョキチョキチョキ”と、ハサミの小気味よい音を響かせながら、2代目店主の鵜飼宏充さん(46)、妻のさつきさん(38)が和やかに迎えてくれる。 鵜飼さんの母・梅子さん(83)が創業した。当時は叔母も手伝っていた。父・英雄さん(81)は陶磁器関係の仕事に就いていたが、出張が頻繁にあり家を空ける時間が多かったことから転身を決め、理容師免許を取得し後に店に立つようになった。 宏充さんは両親の仕事を見て育ち、「同じ道へ進むことは自然の成り行きで何も抵抗はなかった」。高校卒業、理容学校を経て豊田市内の床屋で修業し25歳で店に戻った。 宏充さんによると、店に入った当時は、「パーマや角刈り、丸く作ったりと年々ではやりの髪形があった」と振り返る。現在は「個性の時代か、十人十色。はやりはあまりなくなった」と話す。 同店には、無料で頭皮のチェックができるマイクロスコープを置いている。散髪時に子どもに見せるためのDVDプレーヤーにつないで髪の毛や毛根の拡大画像を映し出す。毛根部分に脂が浮いていたり、髪の毛の根元にシャンプーの洗い残しがあったりすると抜け毛の原因になることも。「確認しながら頭髪の手入れのアドバイスができますよ」とさつきさん。宏充さんは「薄毛を気にされている人ほど、あまり気にしなくてもいい人が多いですよ」と笑う。 最近、年配客に人気は「白髪ぼかし」(1500円)。白髪が気になり始めた人に酸性の染料で髪の毛の表面をねずみ色っぽく自然に染め上げる。髪の芯まで染める毛染めとは異なり、髪へのダメージが少なく数分で終わるため、「毎回利用されるお客さんも多いですね」と宏充さんは話す。 今年2月、瀬戸市で一番の長寿だった105歳の祖母が亡くなった。訪問の度に病床で髪の毛を切ってあげた宏充さんは、「さっぱりした。気持ちよかった」という祖母の声が忘れられないという。 「『さっぱりした』とは床屋にとっては最高のほめ言葉ではないか」とあらためて受け止めた2人。「どのお客さんにもそう言ってもらえるように、ここに座ってもらった1時間は一人ひとりにしっかり向き合っていきたいですね」と、地域に根を下ろした店づくりを目指していくつもりだ。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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