89:「效範米穀店」 【效範西部商店街】
・玄米仕入れ 精米したて瀬戸市北脇町の旧瀬戸街道沿いにある。明治時代後期創業の米穀店だ。店内には、米袋に入った18種類ほどの玄米が並ぶ。産地ごとに分け、無農薬栽培米、減農薬特別栽培米など農薬・肥料の使用状況や米の特性などが表記されている。「同じ品種でも産地や年によっても味が違うところがおもしろい」と、5代目店主の伊藤克英さん(42)は語る。 店頭に並ぶ玄米は、3分、5分、7分、白米などと、客の好みに応じた精米で計り売りをしてくれるのが同店の特徴。精米してから1週間以内の袋詰めした白米も並ぶ。最近は健康志向熱が高まり、食物繊維やミネラル、ビタミンが豊富な玄米の栄養素を残した“分づき”の米を求める客も増えているためだ。「数字が大きくなるほど、糠(ぬか)をそぎ落とした白米に近くなる。玄米はぼそぼそして食べにくいため、7分づきくらいから試されるといいですよ」と克英さん。 先代の充之さん(69)によると、2013年は日本穀物検定協会(東京・中央)が公表した食味ランキングで最高の「特A」評価を受けた米が38銘柄(前年は25)と豊作だった。近年は温暖化の影響か、北海道でも品質のよい米が採れるようになっているという。このところよく見かける「ゆめぴかり」(10キロ4700円)もその1つで、「粒が厚く、ほどよい粘りと豊かな甘みが特徴で人気ですよ」と先代。 また、克英さんによると「ブランド米を生み出そうと努力をしている産地も多い」。熊本県ではPRキャラクター「くまモン」の推奨マークを貼った「森のくまさん」(10キロ4400円)という銘柄が誕生している。県が独自に作成した「推奨うまい米基準」をクリアした銘柄の1つで、ふっくらしていながら硬めの食感が楽しめるという。 米屋の現状は厳しい。1995年の新食糧法施行で米販売は自由化され、競争力のあるスーパーやドラッグストアなどが新たに参入し、廃業に追い込まれた店も少なくない。米の購入先は、米穀安定供給確保支援機構(東京・中央)によると、2013年度はスーパーが45%、生協8%、農家直売7%、親類(無償)23%で、「米屋は4%しかない」と先代は嘆く。かつて瀬戸には60軒ほどの米屋があったが、現在は半数以下で、開店休業状態の店もあるという。 同店では、「精米したての米が一番おいしい」と、玄米の仕入れにこだわり、量販店との差別化に努めている。客の好みに合わせたきめ細かな精米は専門店ならでは。ブレンドの技術も腕のみせどころで、これも量販店や産直にないサービスだ。30キロ以上の米の買い置きサービスも始めている。まとめ買いで割り引き率が高くなり、低温倉庫で管理、保管していつでも好きな量をお好みの精米で出してくれる。 克英さんは、「麺類やパンなどを好む人も多く食生活は多様化しているが、日本人に米は欠かせない。量販店にはない新鮮で『うまい米』を売る専門店に徹し、米の良さを広めていきたい」と語っている。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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