シューズショップ「ソマー」

84:シューズショップ「ソマー」 【末広町商店街】

・責任を持ち接客、販売

末広町商店街の中ほどに店を構えて80余年になる。「幅広の靴を探しているんだけど」「片減りしちゃって…」。お気に入りの一足を探し求めて訪れたり、買い物ついでに世間話をしにきたり。婦人靴を中心に取り扱う店内には、さまざまな客が訪れにぎわっている。

2代目店主の横山靖明さん(75)は、高校を卒業した1956年に店を継いだ。事情があり修業には出られなかった。このため、手探り状態からの出発だった。「婦人用革靴の良品を扱いたくてもどうしたら…」と、東京や神戸のメーカー、問屋に何度となく通ったという。「よいものを提供したい」、そんな思いが誠意として通じ、仕入れ先が少しずつ増えていった。

60〜70年代にかけては塩化ビニールなどの合成皮革を使用した“ケミカルシューズ”がよく売れていた。70年代後半からはブランド品の時代に。「常に世の中の流れをつかんでいなければ、気に入ってもらえる靴が勧められない。損得ではなく、喜んでいただけるか否か。売る以上は責任がありますから」と、横山さんは厳格だ。

靴選びのポイントは、まずはデザインを優先するのか、履き心地を求めるのか。次は、横山さんによると「同じ表記サイズでも、メーカーやデザインなどによって靴の大きさは異なる」。このため、実際に靴を履いてみることが欠かせない。さらに「靴の幅は余裕を持たさず、ぴったりフィットしたものを選ぶ」。革靴は履いているうちに足に合わせて革が変形するからだ。「迷ったら少し窮屈なものを」と助言する。

ただ履き心地が悪いのに我慢するのは禁物。「長く履いていられるかと考え、無理だと思ったら買わないほうがいい」と横山さん。迷ったら1サイズ上も試し、どちらを長く履いていたいか比較するとよいそうだ。

購入後、革が伸びて履き心地が悪くなれば、「店に相談してほしい」。専用器具で矯正し、外反母趾(ぼし)などできつく感じれば逆に伸ばして調整してくれる。ただし、「片減りした靴は迷わず修理を」と横山さん。履き続けることで体のバランスが崩れ、腰を痛める原因にもなりかねないからだ。

ハイカラな赤い玄関扉、店内は足当たりのよいスウェーデン製の天然コルクの床材が張られ温かな雰囲気を醸している。横山さんは「小さな靴屋だが、押し売りはしない。ゆっくり見てもらいながら、なんでも相談してほしい」と話している。

【あゆみ】
1933(昭和8)年、現在地に先代が「横山靴店」として開業。75年には全面改築するとともに、「開ける商売を」と思いを込め、店名を運命学に基づいて「ソマー」と改称した。

【メモ】
瀬戸市末広町3の13
名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅東の窯神橋を南へ
瀬戸川左岸を東へ約8分。
TEL:0561-21-1192
営業時間:午前10時〜午後6時半(火曜休み)

番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

2代目店主の横山靖明さん 【写真をクリックで拡大】

2代目店主の横山靖明さん 【写真をクリックで拡大

オシャレな婦人靴が並ぶ店内 【写真をクリックで拡大】

オシャレな婦人靴が並ぶ店内 【写真をクリックで拡大】

創業80余年の「ソマー」 【写真をクリックで拡大】

創業80余年の「ソマー」 【写真をクリックで拡大】

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