サンワフード・山内時計店

31:「サンワフード」 【末広町商店街】

・地域の八百屋 惣菜、宅配に力

「食材に関するトータルサポート」をモットーにするまちの八百屋「サンワフード末広店」。
名鉄瀬戸線水野駅前にも「水野店」(北脇町)がある。
「お客さんの声にできる限り耳を傾けていきたい」と、3代目の猪塚雅直社長(49)がのれんを守っている。

猪塚さんは、市内の食料品店で2年間、小売の仕事を学んだ後、入社した。
近年は大型商業店舗が出てきて競争は激しい。
商店街に足を運ぶ人も少なくなり、入社当初と比べて取り扱い品目は倍以上になったが収益率は低下し、厳しい時代を迎えている。

八百屋であることを強調する猪塚さんは、地元の野菜をできる限り取り扱うとともに、ここ数年間は特に惣菜部門を強化している。
揚げ物や煮物、弁当など500種類ほどを店頭に置く。昨年12月には他店の惣菜コーナーを任されるなど販売ルートを広げている。
惣菜では、お年寄り世帯が多い末広店では、少量では作り辛い四季折々の野菜を使った煮物やおこわなどを中心に少量パックで陳列。
若い世帯が中心の水野店では揚げ物のメニューを増やすなど地域性にも配慮している。

また、特にお年寄りの利便性を考え、バラ売りを行うほか、今年度からは少量でも断らない個人宅配サービスも始めている。
「お年寄りが買い物に出掛けるのは大変なこと。もうけは度外視。地域の八百屋として少しでもお客さんに喜んでもらいたい」と、強い思いを話す。
卸部門も強化しており、民間保育園やホテルなどへも販路を広げ、店売りでの顧客サービスを落とさない意気込みだ。

末広店では、長男の雅裕さん(25)が店長として戦力に加わっており、「力を併せて店を盛り立てていきたい」と、これからも努力を惜しまない商売を続けていくつもりだ。

猪塚さんは、末広町商店街振興組合の理事長でもある。
今年度を「活性化元年」と位置付け、10年先のビジョンを見据えて組合事業にも尽力する。
「若い組合員が積極的に動いてくれる。かつてのにぎわう商店街を取り戻したいね」と力を込めた。

【あゆみ】
サンワフードの前身は、猪塚さんの祖父幸平さんが約70年前に創業した「カネイ商店」(現在の瀬戸郵便局南の市場町付近)。
引き売りをメーンに商売を広げ、その後、現在の瀬戸少年院入口付近に八百屋として店を構えた。
2代目の父・幸男さんが社長、母・芳江さんが店長となる。
約40年前に北脇町に移転、「サンワフード」として水野店をオープン。
さらに約30年前の1984年に末広店を開き現在に至る。

【メモ】
サンワフード末広店/瀬戸市末広町3の7
営業時間:午前9時〜午後7時(火曜休み)
TEL:0561-21-8614
サンワフード水野店/瀬戸市北脇町276
営業時間:午前9時半〜午後8時(日曜休み)
TEL:0561-21-3854

地域の八百屋として、力を併せてのれんを守る3代目の猪塚雅直さん、4代目の雅裕さん 【写真をクリックで拡大】

地域の八百屋として、力を併せてのれんを守る3代目の猪塚雅直さん、4代目の雅裕さん 【写真をクリックで拡大】

強化している惣菜はすべて店内調理 【写真をクリックで拡大】

強化している惣菜はすべて店内調理 【写真をクリックで拡大】

サンワフード末広店 【写真をクリックで拡大】

サンワフード末広店 【写真をクリックで拡大】

32:「山内時計店」 【末広町商店街】

・職人の技 機械式時計に命再び

古い機械式の柱時計や置時計の修理や修復、最新型の時計、老眼鏡などの販売を手掛けるのは、末広町商店街の中ほどに位置する「山内時計店」だ。

チクタクと時を刻む時計の音だけが響く落ち着いた店内では、最新の電波時計にまじって80年以上も前の古い機械式の柱時計も現役で時を刻んでいる。
古い時計は材質もしっかりしていて、人の温もりを感じられるアナログな精巧さと繊細な美しさにあふれている。

創業は瀬戸市が誕生した1929(昭和4)年。
「何年も止まったままで、直らないと諦めていた古い時計も一度相談に来て下さい」と、2代目店主で時計修理職人の山内誠さん(76)。
山内さんは、最新時計はもちろんアンティーク時計の豊富な知識と技術を兼ね備えている。

山内さんは瀬戸窯業高校を卒業後、東京の時計メーカーに就職、花の都会暮らしを楽しみながら3年間、修理技術を学んだ。
「丁稚奉公の時代で修業は厳しかったが、つらいと思ったことはなかった。国技館や後楽園などいろいろ出掛けられたしね」と振り返る。
59年に店に戻り2代目を継いだ。

職人歴は半世紀以上になる。
これまでに数々の壊れた時計を蘇らせてきた。
「機械式時計は半永久的に動きます。壊れても直せなかった時計はないかな」と、自信を覗かせる。
動力に錘を引く重力やぜんまい(ねじ)を利用するのが機械式時計。
「この時計も私が50年前に修理したもの。今でもしっかり動いているでしょ」と、カウンターの後ろに掛かった柱時計を指さしながら目を細める。
欠損した部品があっても部品自体を作って仕上げるのが山内さんの流儀。
修理の依頼は県外からもあり、再び動きだした時計に感激した依頼者から、お礼の手紙が届くこともしばしばという。
家族の形見、家を建てたときの記念など、「それぞれの時計にはそれぞれの思い出がある」。
再び時を刻み始めた喜びを共有することが何よりもうれしいと、「届いた手紙は今でも大切にしまってあります」と、妻のはるみさん(69)が教えてくれた。

最近の時計は電子部品が多く組み込まれており、壊れても山内さんの手では直せない。
「買い替えの時代で味気ないですね。そんなことを言う私は古いのかな。古い時計の向こう側にある笑顔を励みにこれからも頑張っていきたい」と、力を込めた。

【あゆみ】
1929年、先代が東本町で創業。
36年に現在の宮川モール西側の商店街に移転、さらに翌年、東側の現在地に移転した。

【メモ】
瀬戸市末広町2-20
TEL:0561・82・4822
営業時間:午前9時半〜午後7時(水曜休み)
名鉄尾張瀬戸駅から東へ徒歩5分。

時計の部品を修理する2代目の山内誠さん 【写真をクリックで拡大】

時計の部品を修理する2代目の山内誠さん 【写真をクリックで拡大】

半世紀以上、店ののれんを守ってきた山内さんと妻のはるみさん 【写真をクリックで拡大】

半世紀以上、店ののれんを守ってきた山内さんと妻のはるみさん 【写真をクリックで拡大】

商店街の中ほどにある山内時計店 【写真をクリックで拡大】

商店街の中ほどにある山内時計店 【写真をクリックで拡大】

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メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845

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