78:「ハタヤ洋装店」 【末広町商店街】
・高級婦人服地 3000点シャネル、ベルサーチ、エトロなど、海外ブランドや国内最高級の婦人服地を扱う専門店「ハタヤ洋装店」。こじんまりした店内には3000点近い服地が所狭しと並ぶ。のれんを守るのは3代目店主の伊藤英司さん(73)、幾子さん(67)夫婦。厳選した服地でぴったりのオーダー婦人服を仕立ててくれる。 百貨店で販売されているブランド服、一点物と、まったく同じ服地を切り売りし、洋服を仕立てることができる店。「仕立て代を加えても安く作れることが一番の売り」と伊藤さん。百貨店や既製品販売店では自分に合うサイズを探す必要があるが、オーダーのためぴったり合う服を作ることができるのも特徴だ。幾子さんは元洋裁学校の講師で、採寸や仕立ての技術も卓越、相談者として心強い。 祖父母の代の1897(明治30)年ごろ、一里塚町で呉服屋として創業。機織りの呉服であることから屋号を「ハタヤ」とした。先代の福一さん、富佐子さんに代替わりをした戦後の“物”のない数年間は、電気用陶磁器の店に業態を転換。55年ごろ、再び洋装店として生まれ変わり現在地に店を構えた。 伊藤さんは4人兄妹の長男として育ち、自然に後継ぎになった。百貨店で販売のノウハウを学んだ後、店に入ったのは60年。当時、瀬戸では3〜4番手の洋装店だった。「やるからにはトップを」と一念発起。仕入れ先だった名古屋の問屋を止めて、京都や大阪に集中していたトップメーカーに直談判し、新たな仕入先として開拓して増やしてきた。 かつて多かった服地専門店は、既製品の大型量販店や通販などの進出で減少の一途を辿っている。「今は県内に3店舗ほどしか残っていない。厳しい時代です」と伊藤さん。生き残りをかけて知恵を絞る日々が続いている。 旅行が趣味という伊藤さんは、旅先でも積極的に専門店に入り、参考になるところを見つけては店づくりに取り入れている。こうした地道な努力の積み重ねと、専門店が淘汰されていく状況が逆に“希少な店”として注目されるようになり、口コミも手伝い県外からも客が訪れるようになってきた。 伊藤さんは、「この時代に少しずつでもお客さんが増えていることはありがたい」と話し、いいものを値打ちに販売できるように、今後も努力を惜しまない姿勢を強調する。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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