47:「陶文堂書店」 【效範西部商店街】
・古書扱い30年 出張買い取りも名鉄水野駅北の松原町交差点北西角にある古書店「陶文堂」。店内はこじんまりこそしているが、天井近くまである棚には本が雑然と詰め込まれ、思想や歴史など人文系の古びた書物が目を引く。写真集や画集など美術系の古書、戦後間もないころの女性誌の付録や漫画本、郷土史資料なども並びまるで博物館のよう。 本の仕入れは、客からの買い入れと、古書組合が運営する古本市がほとんど。また、客からの注文を受けてネットオークションで売買する。2代目店主の堀谷幸敏さん(63)が仕入れ、妻の規子さん(63)がオークションを担当する。 1950(昭和25)年、父親の住人(すみと)さんが陶原町で創業。72年に現在地に移転した。陶器のまちであることと、地名にちなんで陶の字を屋号に冠した。 堀谷さんは4人兄妹の末っ子として本に囲まれて育ち、本を読むことも好きだった。ごく自然に後を継いだ。名古屋の書店で3年間修業後、店に入った。 堀谷さんによると、店を継いだ当時は新刊書店だったという。ところが、30年ほど前にコンビニエンスストアが進出し始め、店の半径100メートル以内に4軒のコンビニが立地した。「足の速い雑誌類が売れなくなり、そのころから徐々に古本を扱うようになっていった」と古書店に至るいきさつを説明する。 古書にもさまざまな種類がある。「貴重な本と、値段の付く本とが必ずしも一致するとは限らない。そこが目利きの難しいところでもあり、おもしろいところでもある」と堀谷さん。 古書を見る目は、流通情報に合わせ、本物の本をいかに多く見てきたかで、大よそ決まってくる。20年くらい前までは業界の古本市が競り方式(現在は入札)で行われており、そこでもどんな本に値がつくか大変勉強になったという。 値の付く本は、絶版になっていることで、初版本であったり、カバーや帯などが整っていたりすることが基本。昔の女優の写真集や雑誌の付録、地域の古図などにも案外値段が付いたりするそうだ。 現在は、出張買い取りと、10年ほど前から取り入れたネットオークションに力を入れている。依頼は全国からあるという。一方、店売りは減っており、もっとお客さんに来てほしいという。 江戸後期の本草(植物)学者・岩崎灌園(いわさき・かんえん)が約2000種類の薬草などを精密に描いた植物図鑑「本草図譜(ほんぞうずふ)」の復刻版が昭和50年前後に発刊された。当時、60万円もする高価な図鑑だったが、瀬戸では陶磁器の絵柄に利用する人が多くよく売れて、版元から表彰されたことがあったという。「そんな時代が再び来るといいですね」と、堀谷さんは懐かしそうに話した。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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