46:「井上燃料店」 【效範西部商店街】
・暮らし支えるエネルギー供給一般家庭や企業にLP(プロパン)ガスを販売する燃料店。生粋の瀬戸っ子で話好きな2代目店主、井上博史さん(65)が配達車にガスボンベを積み、日々忙しく地域を走り回っている。 1958(昭和33)年、父、吾一(ごいち)さんが「井上薪炭(しんたん)店」として現在地に創業した。博史さんは高校卒業後、名古屋のプロパンガス卸会社で1年ほど学び、67年に店に入った。その年に「井上燃料店」と改名した。 井上さんによると、燃料業界は変化の連続だった。時代とともに新たな燃料が次々に登場しては、その都度対応に迫られてきたという。創業当時の燃料は、薪や炭。これがレンタンや豆炭に切り替わり、10年ほど続くと今度はLPガスの時代に入った。その後、都市ガスやIHの電気が都市部以外にも普及し始める展開になった。同市では現在、LPガスが半分、都市ガス・電気で半分という普及率になっている。 LPガスは、石油ガスを液化したもので、家庭で使われるほとんどのLPガスは、主成分がプロパンだ。このため、プロパンガスと呼ばれている。液化することで体積が気体の250分の1になり運搬に便利で、都市ガスに比較して標準熱量が2倍と高いのが特徴。このため、都市ガスが普及していない地区の家庭や高カロリーを必要とする商業用、工業用に利用されている。 プロパンガスは危険物ではないが、365日24時間体制で緊急時に備えている。「客からガス臭い」「コンロの調子が悪い」などと連絡を受けると、即時対応が事業者の義務となっている。 今でこそガス器具の安全性が高まり、緊急連絡はほとんどなくなったというが、井上さんは「よく夜中にも呼び出されました。このため、未だかつて泊まりがけで旅行に出掛けたことがありません。好きなお酒もなかなか飲めなくて」と苦笑いする。「でも、安全が第一で、それが信用につながるわけですから」と誇らしげだ。 都市ガスの普及は、該当地区の町単位で一気に切り替わるため、プロパンガス事業者にとっては一度に顧客を失うことにもなる。「競争が厳しい。大変な時代です」と危機感を募らせる。このため、地元の燃料店として、ガスとは関係のない水漏れなど、暮らしに関する小工事も地域サービスの一環として受けている。業界でつくる「瀬戸旭LPガス協会」では、「配達時の見守り活動」も行っている。 井上さんが理事長を務める效範商店街振興組合では一昨年から、店主やスタッフが自ら講師となり、専門店ならではの技術や知識を伝授する少人数制の講座「得する街のゼミナール(まちゼミ)」を始めた。消費者との交流を通して店のファン獲得につなげるねらいで、「『地元の店もなかなかやるな』と、地域住民が見直してくれれば。店主の意識も変わりつつあり、まちの活性化にも弾みをつけるために続けていきたい」と話している。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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