41:新鮮市場「いせや」 【菱野団地商店街振興組合】
・対面販売の温かさ「いいの入ってる?」「これなんかどう」−。肩が凝らずに気持ちよく買い物ができる地場スーパー、新鮮市場いせや。大型店にはない対面販売の温かさが魅力で、店のあちこちから客と店員との気さくなやり取りが聞こえてくる。 いせやは、市内最大規模の菱野団地内の商店街にある。商店街の第1期分譲が始まった1970年、精肉小売り・卸売り店として入り、創業した。1店舗分の売り場面積でスタートした後、青果、鮮魚、総菜などの各部門を増やすとともに面積を徐々に広げ、2002年には5店舗分に拡充して現在の形になった。 「肉屋が始まりですから、今でもお肉には力を入れています」と、創業者で社長の世古口和久さん(68)。そのこだわりは、何よりも新鮮さと値打ちさにある。社長とともに店を切り盛りする妻の綾子さん(67)によると、豚肉は1頭買いが基本で、店内で加工するため新鮮で安く提供できるという。「卸売業の強化から、1頭買いができ、店内の商品の回転率も上げることができるんですよ」と話す。 用途に合わせてカットされた精肉は丁寧に扱われ、ショーケースに美しく並ぶ。見た目の美しさだけではなく、「例えばしゃぶしゃぶ用の薄切りは、お客さんが自宅ではしで取りやすいよう工夫して並べているんですよ」と、精肉担当で長女の横江陽子さん(40)。 また、お肉を使った手作りメニューも自慢で、特に焼き豚とローストビーフ、牛のタタキが売れ筋だ。ハンバーグやロールキャベツなどといった調理するだけの“ ネタ ”も豊富に取りそろえている。 近年では、団地のなじみ客の高齢化が進んでいることから、買い過ぎの無駄や調理の手間をはぶける総菜部門全般に力を入れている。年配にも好まれる煮物や焼き物のほか、揚げ物に弁当を含めると常時100種類ほどが店に並ぶ。弁当(398円〜3500円程度)は以前から引き合いが多く、市内の自治組織などから忘新年会や運動会、まつりなどで声が掛かるという。 創業当時は高度経済成長期の終盤で、団地内や周辺には大型店が進出。近年はドラッグストアやコンビニの業態の垣根を超えた進化が地場スーパーの客層を脅かす。このため、同店では当時から店売りと並行して外販事業を強化。豊田や日進、三好、長久手など尾張東部一円に顧客を持ち、「おかげでどうにかしのいでこられた」と世古口社長は振り返る。 ただ、同商店街ではシャッターを閉めたままの店が目立ち、高齢化も進む現状だ。今後、店の先頭に立つ陽子さんは、「末永く地域の台所になりたいと考えて方向性を検討していますが、難しい問題です」と胸の内を明かす。それでも「いせやしかないという商品開発とともに、買い物そのものを楽しんでもらう店づくりの方針は変えません」と、元気な笑顔を絶やさない商売を、今後も続けていくつもりだ。 【あゆみ】 【メモ】 番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。 |
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