76:「みづのや呉服店」 【末広町商店街】
・購入後も安心 徹底したアフター
瀬戸市の末広町商店街の中ほどにある呉服店。1921(大正10)年に東本町で創業し、33年に現在地に移った。「売りっぱなしはしない」をモットーに掲げ、代々にわたる固い商売が地元で多くの女性客に支持されてきた。
3代目店主の野田仁志さん(56)がのれんを守っている。創業者は祖父・桝太郎さん。創業当初は、着物を持って外回りをする行商を行っていた。2代目卓三さん(86)の代になって店を拠点に顧客を迎える態勢を整えた。
野田さんは大学卒業後、豊橋市の呉服店で3年半ほどの修業後、店に入って卓三さんに呉服業を仕込まれた。販売がメーンで、古典柄から有名ファッションデザイナーが手掛けるブランド着物まで幅広く扱う。足袋や長襦袢、帯など着れるばかりのフルセットは20万円〜80万円ほどが一般的な販売価格帯。安価なフルセットで8万円代からあり、30万円台がよく出るという。
レンタルは7年ほど前から始めた。野田さんの長男が成人式を迎えたとき、同級生から「レンタルはできないか」と、相談を持ちかけられたのがきっかけ。入店当時は目が回るほどの忙しさだった。時代とともに着物を着る機会は減り、販売とは別の柱も必要だった。試しにレンタルを始めたところ好評で、力を入れるようになったという。
レンタルはフルセットで3万1500円〜21万円。成人式でレンタルする人には正月にも無料で貸し出すほか、成人式当日は店での着付け、メイク、ヘアーも無料で行う。「使用後は、たたまずに着物ハンガーに吊るしておいてもらうだけでいいですよ。自宅まで引き取りにうかがいます」と水野さん。また、一度袖を通したレンタル品は、安価で販売するという。
購入者へのアフターサービスも売りの1つ。一度でも着用した着物は、襟や袖にファンデーションが付いたり、見えない汗染みが付いたりする。「5年間は無料で洗濯、染み抜きをします」と水野さん。着物をたためる人も少なくなり、「着用後に連絡してもらえれば回収、洗濯してたたんでお届けします」という徹底ぶりだ。
浴衣にも力を入れている。綿100%で購入してすぐに着られるものが980円からある。帯と下駄が付いて3000円くらい。夏祭りや花火大会などに出掛けるために購入する小中高校生が多いという。また、海外への留学や外国人留学生がお土産に買い求めることも多いそうだ。
野田さんは、「生き残っていくのは大変なこと。お客さんの意向に添う努力を惜しまず、『あの店なら安心』、そう言ってもらえるような店を目指している」と力を込めた。
【あゆみ】
1921年に着物の行商の店として東本町に創業。33年に現在地に移り、販売ほかレンタルにも力を入れている。
【メモ】
瀬戸市末広町2の18
名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅東の「窯神橋」を南へ 瀬戸川左岸を東へ約5分
TEL:0561-82-2532
営業時間:午前9時半〜午後7時(火曜休み)
番組に対するご意見・ご感想をぜひお聞かせください。
メール info@845.fm
FAX 0561-97-0845 |
3代目店主の野田仁志さん 【写真をクリックで拡大】 |
店内に並ぶ着物 【写真をクリックで拡大】 |
1929年創業のみづのや呉服店 【写真をクリックで拡大】 |
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